週刊琴線(12月3日号)

雪で色んなものが立ち往生しております

持ってて良かった!大活躍の長靴

The Vaccines

リンチ先生の音楽活動やいかに

今週の琴線:
It’s friggin’ cold!
The Vaccines@Madame Jo Jo’s/30Nov2010
Nightmare Before Christmas
David Lynch

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工場の機械からにょろ~んと押し出されるうどん生地のように、あるいはベルトコンベヤーに乗ったように、普段は淡々と日々が過ぎていく。が、何かが起きる時は一気に色んなことが、同じ時期にわらわら~~っと起きてパニック・・・というのが、ここしばらくの自分の日常&仕事パターンになっている。もうちょっとサイクルが規則正しい方が、色んな意味で楽なのだろうけど、来るものは避けられませぬ。

日常に関しては、①先週の土曜に、フラットで空き巣もどき事件が起きた②週明けから英南部を襲った大雪のふたつ、が波風だった。①に関しては、ロンドンで暮らし始めて最初の(つーか、生まれて初めて?・・・病院と警察、ほんとにとんと縁がなくて、今まで運がいいかも)警察沙汰になってまーす。自分としては「ちょっと頭のネジが緩んでる人の仕業かも?」とも思っていて、真相はまだナゾのままなんだけど。

ことの次第は、土曜の朝に、ガタガタッガタタッとヘンな音がするなぁ?と思って目がさめて出窓を見やると、窓とブラインドを押しのけて、見知らぬ男の顔&腕が突き出ていた。こういう唐突な事態に出くわすと、咄嗟に声って出ないらしい。3秒間ほど「・・・・・・??」と目を凝らし、状況把握にあくせくする。うちのフラットは集合住宅の1階なので、たまに痺れを切らした郵便配達人とかFeDexのお兄ちゃん達から、「表のドア開けてよ~」とこの窓をノックされることもあって、一瞬彼らと勘違いしていたのもある。
しかし、目線が合ったところで「えー、なんの用でしょう?」と尋ねると、かの男が「おれの猫、どこだ~?」と叫び始めた。知らんわ、そんなの。つーわけで、明らかにどっかヘンそうなのが判明、ギャー!と叫んで、必死に追い払うことになった。すぐいなくなってくれたとはいえ、少しはのんびりしたい土曜の朝から、いきなりプライバシー侵害されて不快な気分である。

最初のうちは「どうせ酒かクスリで頭がおかしくなってる人間だったんだろう・・・」とため息つくだけであまり深く考えもしなかったのだが、押し上げ式の出窓の錠が壊されていたのに気づき、慄然。この窓は通りに面していて、比較的人通りもあるので大丈夫だろうと思っていたが、甘かったかも。もしもあの時自分がフラットにいなかったら、男が押し入って、金目のものを盗んでいた可能性だってゼロではない、いわば未遂事件である。
まあ、一般的に金目とされるもの――フラットスクリーンTVとか宝石貴金属?PCはあるけど、7年使ってる古物なんで、売っても二束三文でしょう――のものは別に何も持ってないとはいえ、必死な空き巣野郎に手当たり次第に漁られて、価値も分からないままとりあえずアナログをごっそり盗まれたら、もう・・・・・・泣くに泣けない(お金というよりも、いちいち買い直す手間と精神的なロス、それが一番きつい)。

実害はなかったし、大げさに騒ぐのもどうか?と躊躇したのだけど、やっぱ気持ち悪い~&同じ男が同じ手口で近所を荒らす可能性もあるかな、と考え直した。その上今週末は留守にするので、用心に越したことはない!つーわけで念のために通報したところ、午後には婦警さんが来てくれて、軽く尋問&証言とあいなった。被害はなかったので申し訳ない気持ちにもなったし、言動からも、メンタル面でちょいおかしい男だったのだと思うと説明したが、「万が一ってこともあるし。通報してくれていいのよ」と励まされた。
とはいえ、これまでの水道局とか電話局のクレーム対応の経験から、「まあ、どうせ証言だけ取られて、後は放置されるのだろう」と高をくくっていた・・・ところが、週明け以降も盛んに警察から連絡があり、「犯人の指紋を取りにスタッフを派遣します」「顔写真の面通しに来てもらえますか」など、アップデートが頻繁&迅速でびっくり。警察署の人からどんな風体だったか?と聞かれて、「んー・・・アホな話ですが、ジェイZの顔立ちにちょっと似てた」と答えたら、ちゃんと通じたので笑えた。警官もジェイは知ってるんだなー。更にはCrime Victim Supportという組織からも連絡が来て、こちらの安否を気遣い、警察の対応が充分か確認の報をもらいました。

空き巣が入ろうと思えば窓ガラスを叩き割ってでも入られるわけで、通りで引ったくりにあったらそれまで、である。最終的にはコモン・センス&自衛しかないわけだけども、何かが起きた時にこういうサポート・システムがあり、ちゃんと機能しているのを実感できたのは良かったです。

機能といえば、色んな意味ですごかったのが大雪による機能不全。先週末からものすごく寒くなり、北部で初雪も観測されたのだが、その寒波が英南東部を直撃。そんな時に限って、ロンドン外で取材が決定したのでした。それでも、相手はとても好きなアーティスト。「はう~っ、対面取材できるなんて、オレってなんてラッキー!」と心の底からワクワクしていたんだけど、月曜はあいにくロンドン地下鉄ストのど真ん中でもあった。地下鉄以外の交通網=バス、車、電車が満杯になり、大変なカオス&混雑になる。

それもあって、取材地に向かう列車が出るターミナル駅に、予定より1時間30分前には着く超余裕の目算で動いていたのだが、ターミナル駅に向かう電車が、まず軽く1本キャンセルになった。おいおい。寒さと氷で線路が縮むとか、寒波への準備とか、テクニカルな理由は色々あるらしいんだけども、トラブったら復旧・回復に全力をあげるのが鉄道会社の義務、という日本人の感覚からすると、信じられない世界である・・・根性が足りないつーか。しかも、状況をアップデートする構内放送もほぼ皆無なんだよね。プラットフォームが、苛立ちでみるみる染まる。
それでもまあ、次の電車を乗り継げば間に合うだろうと思って待機していたところ、取材の担当者から連絡が入り、この対面取材そのものがキャンセルになった。担当者も交通渋滞に巻き込まれて駅に着けない膠着状態で、彼女自身取材に間に合いそうにない、とのこと。ストの日のEscape From Londonは、かくも難しい。仕方ないっすね。

その夜から降り始めた雪は、今も止まない。積もってるなあ。

寒さだけでも運休するくらいだから、雪ともなるともっとひどいことになる。子供の頃に東北および北海道に住んでいたので苦にはならない&雪と氷であやしい路面を転ばず歩くのも上手いのだが、雪かきなんて、久しぶりにやってます。しかし、話題のUK新人=The Vaccinesのライヴを観せてもらうことになっていて、火曜はえんや~こらやっ♪と、会場があるソーホーに向かうことになった。
ネットでぎりぎりまで電車の運行状態をチェックして「動いてるらしい」と外に出たのだが、あと少しで電車が来るタイミングでホームに着くと、思いっきり無人・・・北風と粉雪がピューと鼻先を掠める。運行の掲示板も、「劣悪な気象状況のためスケジュールは表示できません。また、便が急遽キャンセルになる可能性もあるのでご了承ください」と、まったく頼りにならない。つーか、捨ててるよね。途方に暮れていると、向かいのホームにいた女性が「そっちのホーム、ついさっき電車が出たばっかりよ」と声をかけてくれた。
まじすかー!と途方に暮れていたら、この女性はすごく親切で、「家の人間に頼んで、あなたの電車の運行状況をネットでチェックしてもらうから」と電話までかけてくれた・・・結局ネットでも「遅延」としか告知されてなかったんだけど、困った時はお互い様、のこういう優しさは寒さの中でしみます。雪中行軍で公園を歩いていた時に、向かいから歩いてきた人に「この先、ぬかるんでて滑るから気をつけな」と声をかけられたり、フラットの前の氷割り&雪かきしてたら、ここのところ毎朝凍結防止用の塩をまいてる道路管理のおっちゃんに「すまんねー、塩が足りなくてなかなか充分に撒けないんだよ」謝られたこともあった。ちょっとした言葉のやりとりだけども。

その彼女の側のホームは、30分以上待たされていたとはいえ、「困ったねえ」と話しているうちに1台到着。ホームの人間みんなガッツポースで、「あなたも幸運を!」と声をかけられ、手を振って別れました。しかし、いつ来るか分からない電車を待ち続けるのも辛いので、どうしよう・・・と思っていたら、こっちも電車が来た。どこ行きかは皆目分からなかったが、とりあえず乗り込んだところ、3個目の駅で停車。しかしそこから無事に乗り継げた&「ここまで来たら、何がなんでもライヴに行くど!」と意地に近い攻めの気分になってきた。テムズ川を越えることはできて、そこまでたどり着けば、バスでも地下鉄でも、なんとかなるっす。

ライヴは良かった。ヴァクシーンズ――日本読みだと、「ワクチンズ」になっちゃうんですけども――は、ネットやブログ、メディアで既に火がついていて、英新人アクトの露出登竜門テレビ番組=Later With Jools Hollandにも(公式音源リリースの前に)出演を果たしているギター・バンド。2ヶ月ほど前に行われたロンドンでのプロパーなデビュー・ギグには狭い会場に300人以上のファンが詰め掛け、「フランツ、アークティックに続く存在か」と話題のアクトである。もちろん、この晩もソールド・アウト。
パンキッシュでナイスな直球シングル「Wreckin’ Bar(Ra Ra Ra)」しか聴けてなかったのだが、リズム隊もタイトで演奏はしっかりしていたし、リヴァーブ他を使いこなすギタリスト(ホラーズのトムの兄弟だそうです)のセンスがキモなのは一発で伝わる。そのシングル「Wreckin’~」の印象で、いずれも2、3分台の即効ポップでがんがん押すタイプかな・・・と思っていたんだけど、実はミッド・テンポの曲が聴かせるバンドでもあったのは嬉しかった。曲、書けてます。根本は恐らくブリットポップなバンドなのだが、メロディにはいなたい80年代アメリカの泣き(スプリングスティーン、リプレイスメンツ系)、そして音の方向は80年代UKギターの味(カメレオンズ、エコバニ、ビッグ・カントリー)も混じっていて、そのミックスぶりが面白い。アルバムは来年だろうけど、ここからどう成長してくれるか、楽しみになりました。

いい感じで会場から出たところ、雪が大粒で湿っぽいみぞれ質感に変わっている。うがが~!とりあえず駅には着いたが、案の定ほぼすべての電車が遅延ORキャンセル。かなりの数の乗客が足止めを食らって駅にたむろしているし、自分の乗りたい電車も予定時刻から25分は遅れているので、帰宅作戦はバスに変更。テムズを渡ってウォータールー側にあるバス停に移動したが、風花の舞い散る無人の橋から眺める夜景と黒い川は、なかなかきれいだった。

水曜から天候も回復に向かう・・・はずだったんだけど、木曜も粉雪がほぼ一日中降っていて、Nightmare Before Christmas BYゴッドスピードに行くのはなかなか大変そうである。会場のあるMinehead=南西部はここまでひどい雪ではないとは思うが、今回は友人が車を出してくれる予定。ロンドンの交通渋滞を抜けるのに毎回すごく時間がかかるので、早めに動かないとな・・・。とはいえ、今回は土日のラインナップが濃く、初日金曜はスケジュールがそんなにびっちりではないので、ありがたし。

キッチン付きのシャレーということで、友人も「今回は、俺の手料理をみんなに食わせるたるから」と前もって豪語している。つーか全然料理に縁のなさそうな人なんで、いったい何を食わされるのか?と一抹の不安もあるんだけど、彼は今回はGFと来るんで、彼女にいいところを見せたいらしい。イギリスの男性って、案外手料理作りたがるんだよね。かわいいなあ、とよく思う。レストランやカフェはもちろんATP会場内にあるんだけど、ルーム・メイトと分担で料理を作る=Cook Off開催は、ATPのプチ楽しみのひとつ。彼のその言葉を受け、色々と仕込み&下準備に余念がない・・・って、そんな自分はイギリスの料理番組「Masterchef」の見過ぎか??
「キッチン付き」とは言っても、コンロや鍋釜皿他什器は備わっていても、料理油や調味料、ニンニクといったものは当然置かれていないので、持参するのがベスト。近くのスーパーで色々買い揃えることはできるけど、毎回、月曜朝に引き上げる時に「この油のボトル、誰が持って帰る?」「みかん余ったけど~」という話になる(=週末いっぱい飲んで、騒いで、夜更かししての音楽三昧で疲れ果てているので、誰も荷物になるアイテムには手を上げない)。6人部屋でもない限り、無駄になることが多いのだ。

でも、最低限の調味料は、会場内のレストラン&カフェから調達できます・・・テーブルに置かれてる塩コショウ、ソース、ケチャップ、酢、砂糖の小袋くらいは、少し多めにもらっても文句は言われないだろうし。それにまあ、あっためるだけでOKのスープとか、出来合いのソースを使ってパスタとか、ピザをオーブンで焼くとか、サンドイッチ作るとか、いくらでも手はある。しかし、食べるのも作るのも好きな基本「食いしん坊万歳」人間なんで、3日もインスタント加工済み食品の連続だと、飽きてしまうのだ。
そういや、これまで何度か友人の日本人女性とATPで部屋をシェアしたことがあるけども、同室のイギリス人達が我々の①料理の上手さ②チーム・ワーク(=皿洗い他、片付けもちゃんとやる)に感動していたな。山海の美味いものを食って育った日本人の味覚の鋭さ、そして衛生観念の高さは、どこに出しても通用するってことでしょうか・・・こっちのフラット・シェアに、日本人がひとりいると便利だろうなーとよく思う。確実にキッチンとか風呂場がきれいになるからね。

今回は、手っ取り早く作れるゴマ麺を作る予定。呑んだ後に食べたくなる類の料理ですね、ハイ。タレはがっちりと作って瓶詰めにしたので、あとは現地で野菜や肉、中華麺を調達して、混ぜれば一丁上がり、である。ゴマ油とタヒニ、ピーナツ・バター他を色々と混ぜて作ったこのタレは、我ながら、かなり美味しいと思う。ともあれ、今回はシャレー・メイトにヴェジタリアンが含まれていないので楽である。イギリスはヴェジ率が高く(特にATPみたいなフェスだと余計にそう)、彼らのために別皿を作るのは全然構わない――んだけども、これまでの経験から総合すると、英ヴェジは「自分から率先して料理しない割には、『これ、大丈夫?何が入ってるの?食べれる?』とうるさいタイプ」という印象だったりする。
なんで、こちらも料理はしても「良かったら食べてね、肉入ってないから」という調子に留めておいて、無駄な善意の押し付けはしない。けど、彼らは何でエネルギー補給しているの?と好奇心半分で様子を見ていると、アルコール、果物、スナックやお菓子、野菜サンドなど、味気ない。乳製品や卵もダメなヴィーガンだと、パン、ライス、塩を振っただけのパスタとか、ますますハードコアになっていく。普段は家で料理してるのかもしれないが、なんかこう、「面倒だからこれで済ませておけばいいや」という雰囲気で、あまり食の楽しさは感じないのよね。料理好きなヴェジには、こっちではいまだ遭遇してない。

そんな難儀な人々(?)をサポートすべく、ヴェジタリアン向け加工食品はどこのスーパーでも何かしら売っている。大豆加工品を使ったヴェジ・ソーセージには割と美味しいものもあるし、そういやこの間食べたナット・ローフ(くるみ、アーモンド、ブラジル・ナッツ他、砕いたナッツに大麦やパン粉をつなぎに加え、ハーブ、たまねぎ他で味付けしてローストしたもの)も、味付けが甘くて菓子っぽかったけど案外イケました。
しかし、ヴェジタリアン・ハムおよびベーコン、これはまあ、肉食人は避けて通るのが無難だと思う。ハムは、ヴェジの友達がおやつ代わりに食べていたのを目撃しただけだが、薄く延ばした魚肉ソーセージにオレンジとピンクの色素を2割増したような鮮やかなルックスが衝撃的で、どうにも近づけなかった。ヴェジ・ベーコンは、某ヴィーガン・カフェで朝食メニューにトライしたところ「炒めた豆腐」(=これまた不味かった)と共に出てきたのだが、味といい薄くスライスしたタイヤのような食感といい、しばらくトラウマになったほどすごかった・・・「肉の味に似せたヴェジ食品」っていうのは、なんか矛盾を感じる商品なのであります。

今週は、「リンチちゃんの初本格音楽デビュー」ってのが興味ぶかいニュースだった。昨年の「Dark Night Of The Soul」でも、彼をフィーチャーしたトラックはベストの1曲だったしな。以下、プレス・リリースからコピペ。

<<鬼才デヴィッド・リンチがエレクトロニック・ミュージック作品を発表!
自身の映像作品のみならず、これまでにもコラボレーションを通じて音楽制作に積極的に関わってきたカルト映画の“生きる伝説”デヴィッド・リンチが、ついに本格的に音楽制作活動を開始!! 自身初のエレクトロニック・ミュージック作品として完成した本作『Good Day Today / I Know』。1月下旬には、誰にも予想のできない豪華なリミキサー陣をフィーチャーした、アルバム級のヴォリュームでのリリースも予定されている>>

詳しくは、こちらでどーぞ。

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Mariko Sakamoto について

Hi.My name is Mariko.Welcome to my blog,thanks for reading.坂本麻里子と言います。ブログを読んでくれてありがとう。
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週刊琴線(12月3日号) への2件のフィードバック

  1. すずきまりこ より:

    空き巣もどき、大丈夫ですか?警察系が意外にしっかりしているのはびっくり&読んで少し安心しましたが、どうぞ気をつけてくださいね~。雪も大変そう!でもなんか人との小さな言葉のやりとりがあるのはイギリスっぽいなあと思います。日本がないだけなのかもしれないけど・・・。ではゴマ麺の評判報告を楽しみにしてマス!

    • Mariko Sakamoto より:

      コメントありがとう!!空き巣もどきは、いまはとりあえず沈静してますが、寒波がすごいからかもしれない。
      ゴマ麺の成果は次のポストで報告しまっす。

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