White Hills+Arabrot@The Lexington/24March2012

White Hills

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この前のポストでもちょっと触れました&順序が逆になってしまいましたが、White Hillsのライヴの話。昨年アルバムを愛聴したバンドであり、よくチェックしている音楽サイト:The Quietus主催のショウってのも興味深い……ってことでこのギグに行くことにしたんですが、いやー素晴らしかった! まじもんの轟音スペース•ロックに、頭のてっぺんからつま先までとっぷり浸からせていただきました。

と書きつつ、オープニングのArabrot、こちらも良かった。知人の説明によれば「ノルウェー発のアングラ•メタル•バンド」とのことで、公式ウェブサイト他をチェックしたところ、昨年リリースの最新作はなんとアルビニ録音。そのタイトルが「Solar Anus」ってのも、すごいですね。北欧メタルにはまったく詳しくないが、いわゆる「王道のメタル」ではなく、たとえばMinusみたいな変態系オルタナティヴ•メタルなのかしらん?などと考えつつ待っていると、セッティングを始めたメンバーもまったくメタラーなルックスではなく、むしろゴス•パンクな風体です。

核になるのはギター/ヴォーカルとドラムスのふたりらしいけれど(セリーナ•マニーシュのエミール•ニコライセンもコラボレーターとか)、ショウはトリオ編成。開始と共に全員やにわに上半身裸になったのには驚いたが、ゴリゴリに硬いサウンドとダークに引きずるメロディの連打は、メルヴィンズと初期バースデー•パーティーの出会いといったところ。かっこよいのだが、手加減なしに耳を緊縛する音は聴いているだけで消耗させられもするし、もうちょっと音楽的にもワザを広げてほしい。オープニングゆえ、短めのセットで正解だったかもしれない。

トリのホワイト•ヒルズの登場時間が近づき、完売の場内はスシ詰め&熱気むんむん。ステージが見えにくいので壁際のベンチの上に立っていたのだが、スピーカー直撃のポジションだったこともあり、アラボットの時点で既に耳が痛くなっていた……が、ホワイト•ヒルズのショウはそれ以上に情け容赦ない爆音がジェット噴射のごとく吹きすさぶ、すっさまじいもの。あんなにラウドなショウは久々だったかも? 翌日以降、しばらく耳鳴り。
現在NYを拠点とするこのバンド、こちらも主要メンバーはデイヴW(ヴォーカル/ギター)、エゴ•センセーション(ベース)のふたりで、ドラマーの他にライヴにキーボード奏者が加わることもある。スリル•ジョッキー移籍をきっかけに浮上してきた感もあるがぽっと出ではなくて、CD−Rリリース多数&活動歴は長い。既にジュリアン•コープからもお墨付きをもらっているそうで、道理でステージかぶりつきの男性ファン達の中にはホークウィンドの「Doremi Fasol Latido」Tシャツ姿の御仁も混じっているわけである。

デイヴW氏は、メイクなしのアリス•クーパーにボビー•ギレスピーの体型が混じったような見た目で、柄物シャツにスリムなジーンズと、80〜90年代のサイケ勢残党を思わせる雰囲気。黒髪•黒ズボンの彼と対を成す形でステージ左を占めるのが、ブリーチしたブロンドもまぶしい女性ベース•プレイヤーのエゴ•センセーション。真っ赤な口紅にホット•パンツ姿は、たとえばベイブス•イン•トイランドやザ•マフスのキムのノリで、これまたちょい90年代入ってる。いまどき、案外いそうでいないタイプのロッカーです。かわいい。
しかしルックスだけではなく、エゴちゃんのギアはアンぺグ尽くしで、ベースはアクリル樹脂の透明ボディが素敵!なダン•アームストロング(重いけど)なのもポイント高い。デイヴWはSG+マーシャルで、ものすごい数のペダルが並べてある。盤では打ち込みやコラージュをブレンドした反復なサイケ•マントラ、クラウト系の楽曲もあるのだが、この日はシンセなしのトリオだったので、彼のギターがすべての表情を司るスタイルだったようだ。

自分としては、そのギター•ヘヴィなパフォーマンスは正解だった。オープニングはマーティン•ビシがレコーディングを手がけた最新作「Flying On This Rock」の1曲目「Pads Of Light」で、ギンギンにラウドなメタリック•サイケ〜バイカー•ロックが炸裂。音量がすごいのはもちろんだったが、デイヴW、この人のギターの上手さは説得力がある。元メタラーでは?という思いも生じるほど弾きまくり&見せまくるダイナミックなプレイはカリスマに満ちていて、オーディエンスもただただヘッドバンギングで礼を尽くすしかない感じ。
ハイライトは20分近い壮絶なジャムと化し、次第に頭が朦朧としてきた(笑)「Robot Stomp」、パウンドするリフが無限大にビルド•アップするオーラス「H-P1」で、ステージから発するピュアな音の波に飲み込まれました。

先にも書いたように彼らの音楽的な表情には色々あり、決して「スペイシーなハード•ロック」だけの、一芸バンドではない。が、この晩の容赦ないギター中心のパフォーマンスは、ロック•バンドとしての彼らの本性を提示すると同時に、平常値からかけ離れた音量やノイズを浴びる中でのトランスという、自分にとってのラウド•ロックの魅力を再確認させてくれるものでもあった。
この夜は、別に示し合わせていなかったものの会場で色んな友人•知人に出くわしたのだが、うちスモーカーな若造ふたりは最初から最後までキマりまくりで(笑)、ホワイト•ヒルズの無情なラウドネスの涅槃を堪能した模様。
しかし、終演後にセッティングを片付けながら、深夜を過ぎても握手/サインを求めて近づいて来るファンに丁寧に対応し、談笑しているメンバーの姿はなんともチャーミングだった。「ロンドンでプレイするのは好き」とのMCもあったが、ホークウィンドからスペースメン3まで、尋常じゃない爆音サイケの歴史を自分達なりに編み上げてきたイギリス人とホワイト•ヒルズの(非常にニッチだが)幸せな邂逅が、これからも続きますように。

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Mariko Sakamoto について

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