Beat of My Own Drum: 34.Paul&Barry Ryan

兄弟あるいは姉妹によるバンド/グループってのは、「友人が集まって」な成り立ちとは異なるユニークなエッジを放つもの。有名なところではウォーカー•ブラザーズ、ラモーンズのように生まれも育ちも異なるメンバーが同姓を名乗って疑似兄弟/ファミリー化したバンドがあったように、そもそも音楽活動を共にするのは四六時中顔を付き合わせるのに近い。それを肉親同士でやることにした人達というのは……奇特というか。ゆえに「仲の悪さで有名」な兄弟達(キンクス、TJAMC、オアシス他)も生まれるのかな。一方で、たとえば姉妹連中はハート(アン&ナンシー•ウィルソン)、ザ•ピアーシズ(アリソン&キャサリン•ピアーシズ)といった具合に上手くチーム•ワークがとれている印象があるのは興味深いですが。

んなことを、ポール&バリー•ライアンのアルバム「Barry Ryan Sings Paul Ryan:Eloise,etc」を聴きながら考えた。このアルバムはたまたま中古レコードを通じてつい最近知ったんだけど、イギリス人によるビーチ•ボーイズ解釈〜バーバンク•サウンド/バロック•ポップとでもいうのか、時に度を過ぎてゴージャス&凝ったプロダクションには驚かされる。なにげに時代色に縛られていないモダンなジャケのデザインも含めて(レタリングやモノクロ&ストイックなヴィジュアルは早過ぎた「ポスト•パンク」風? いや、音楽性は全然パンクじゃないですけど)、奇妙な「めっけもん」として愛聴しております。

時期的には既に英国の若者の志向がロック&サイケに移行していた60年代末の作品であり、なんでも本国イギリスよりもユーロ•ポップ界隈=フランスやドイツで人気を博した、というのもうなずける話。ソロに転向後のスコット•ウォーカーの「Mathilde」あたりが下敷きになった……とも言えるでしょうか。ちなみにポール&ライアンは双子で、ルックスはどっちかというとウォーカー•ブラザーズというよりエヴァリー•ブラザーズなノリ。活動当初は一緒に歌っていたようだけど、公衆の面前でのパフォーマンスに馴染めなかったポールは作曲サイドに専念することになり、バリーが彼の書いた曲を歌う……というソングライター&シンガーのチームを組むことになったのだとか。

既に他界しているのだろうと思いきや、2007年にフランスのTV番組(その詳細は分かりませんが、「懐かしのヒット•パレード」的な内容みたいです)に出演した際の映像を発見してびっくり。サビの「エロイーーズ!」の裏声シャウトもちゃんと出てるし、フル•オーケストラをバックに従えて会場の観客を手拍子&総立ちに持っていく盛り上げの詠唱ぶりには「昔の芸能人のパワー」を感じてちょっと泣かされます。

というわけで、ダメ押しに近く「Eloise」ワンス•アゲイン! こちらの映像は音質が悪いので避けようか?とも迷いましたが、当時はまだ比較的珍しかったプロモ•ヴィデオ(というかイメージ映像?)であり、プリズム•レンズを使った特殊映像、モロに60年代ルックなモデルおねーちゃん、海辺の乗馬シーン……と矢鱈にドラマチックなディレクションが実にシックスティーズでモンドで最高なので、やっぱり引っ張ってこらずにおれません。

にしてもこういう映像を観ると、今どきのポップ•アイドルのヴィデオのストーリーボードも根本の要素はあんまり変わってないな〜、という気が。どこかのヒマな誰かが、このヴィデオを下敷きにしてパロディをやってくれたら楽しいんだけど……と書いたところで、ポール&バリー•ライアンとはまったく関係がありませんが、マンフレッド•マンのヴォーカル:ポール•ジョーンズが主演した映画「Privilege(傷だらけのアイドル)」の印象的なモチーフをパロった、スローンのご機嫌なプロモ「She Means What She Says」を思い出したのでおまけに。

まずは元ネタ:ピーター•ワトキンスの監督した、今観ても面白いプロパガンダ/マス•メディアの支配するディストピアを描いた映画「Previlege」より。

スローンがパロるとこうなります。

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Mariko Sakamoto について

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