Beat of My Own Drum: 42. The Rolling Stones

ここしばらく、珍しく忙しくてフル回転だったりします……なんで??と思ったが、夏フェス•シーズンが終了→→クリスマスから正月にかけての停滞期が始まる前の時期に当たる9、10月は音楽業界も新作リリース•ラッシュということで、ある意味当たり前。恐らくその余波なんだろうなと納得している。季節労働者とあんまり変わらない。

そんなわけでボロい頭と神経を酷使気味なのは可哀想なので、とにかく和める、頭を休める音楽を合間に聴こう!ってことで、今日はストーンズの「Heaven」。

と言いつつこの曲は、実は最近まであんま馴染みがなかった……その状況が変わったのは、少し前に家庭的な事情で急遽&久々にロンドンに帰還→→たまたま運悪く一晩宿無しになってしまったイギリス人知人が「転がり込む」形でうちに泊まりにきで、そこで明け方近くまで「飲めや飲めや」な音楽リスニング大会になったから。

この知人はまだ若いんだけど、すごく幅広〜く深〜く音楽を知っていてーーロンドンで暮らしていた頃の彼はマニアックなレコード屋勤務だったので当然っちゃ当然ですが――その斬新な聴き方や視点の広さに、基本的にロートルで怠惰な自分の音楽観も刺激された&めちゃ感心。とはいえ、吸い過ぎ&飲み過ぎな彼は午前3時頃には完全に前後不覚になっていて、いくら「寝なよ、明日仕事でしょ」と言ってもまったく埒があかない。しかも、①やれやれ眠ったかと思いきや、トイレを探して何度もキッチンにさまよい出す(あそこで止めてなかったら、キッチンのシンクで小水してたかも:ギャーッ!)②さまよっているうちにぶっ倒れて顔&腕に怪我する……等々、半分ホラー映画の混じった怪行為も多数。たとえば、こういうクレイジーな天才型男に惚れ込んで付き合うっていうタイプの女の子達は山ほどいるとは思うけど、それって赤ちゃんの世話をするのとさほど変わらないくらい大変なんだなーと、朝になってシャワーを30分浴び続けてようやく地上に〝降りて〟きた知人の腕の切り傷に絆創膏を貼りながら感じもしました。あー、面倒。自分にはここまでチャリティ心はないので無理っす。

ともあれ、彼のiPhone経由で色々と聴かせてもらった中でも心に残ったもののひとつがストーンズ。たまたま「あなたの歴代ベスト•バンド、トップ5は?」……云々な(音楽オタクにありがちな)話題になったんですが、ヴェルヴェッツ、ストゥージズ、ストーンズ、カン、ときて、ビートルズはどうなのよ?と話していたうちに割れたのが、彼が心底のストーンズ派という点。「ストーンズのオリジナル•アルバムで、マジに聴くべきなのは『Undercobver』が最後」という面では意見が一致したんだけど、そこで久々に聴かされた「Tattoo You(刺青の男)」はかっこよかった! 中でもいちばんズガンと衝撃的だったのがこの「Heaven」。痺れます。有名な「Start Me Up」みたいに派手な看板曲ではないので見落としがちだったけど、すげ!と思わされた……っていうか、この曲だけじゃなく、あのアルバムのB面の良さを認識させられたかも。

シンプル、というかフラジャイルですらある「Heaven」に描かれるのは、「今、ここで、自分が感じていることが最高(天国)」という感覚。こうやって文字で説明すると野暮の極みだなーと我ながら思うけど、一瞬しか続かない充足感/満点のフィーリングをこっちの感覚にも想起させてくれるのはすごい。今、たまたま忙しくて充実している自分がこの曲でふっと一息つきたくなるのも、この曲の「昨日よりも、明日よりも今日のこの瞬間」がフィットするからかもしれない……なんて書いたところで、この間観た小津安二郎の「浮草」(1959年)を思い出したのでついでに。小津映画と言えば白黒の印象が強かったので、ヴィヴィッドなカラー映像にはちょっとびっくり。しかし旅芸人一座を描くこの(ユーモア寄りの人情)作品は「明日はわからんが、今日の舞台を成功させよう」な心意気や大らかな人間模様の数々に、フェリーニ映画がだぶった。笑えるのに、涙がちょっとこぼれました。

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Mariko Sakamoto について

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